調律師の声

ピアノの数ほど調律が或る。
東京都勤務 中島章敬
(53期生)

人には見ることの出来ない世界に憧れ、ピアノの音を創造する調律師を目指し、カワイ音楽学園へ入学しました。
とはいえ、私自身はピアノが達者な訳でもなく、入学するまで「倍音」すら認識したことがありませんでした。センスも経験も無い私にとって、勉強と練習に膨大な時間を割くことの出来る学園での1年間は、今でも仕事をする上での大切なバックボーンとなっております。

実際に調律師として働いてみると、様々な状況、そしてピアノと出会います。いつも感じているのは、“調律に正解はない”ということです。唯一、お客様の望むピアノに仕上げることこそが“正解”なのかもしれません。即ち“ピアノの数ほど調律が或る”とも言えます。お客様は音楽が、そしてピアノの音が好きです。しかし、自ら音を作ることは出来ません。私たちの仕事は、そんなお客様が見ることが出来ない世界で、お客様に代わり音を創るものであると考えます。図らずも夢は叶いましたが、より良い音を目指し、日々勉強や練習、そして人間を磨く精進をしています。

*掲載内容は、2019年4月時点の情報です。所属および文章の内容等は、現在と異なる場合がございますので、ご了承ください。