調律師の仕事

調律師とは?

一般的に「ピアノの調律や保守管理を専門に行う職業」として認識されています。実際のピアノ調律師は大きく4つに分けられる作業を行っています。

まず「ピアノの調律」、一番最初に連想される方が多いと思いますがピアノの「音程を合わせていく作業」です。次に「ピアノの整音」、これはピアノの「音量・音色のバランスを整える作業」です。3つ目に「ピアノの整調」、これは直接音に関わるものではなく「鍵盤タッチや発音機構の調整作業」です。最後に「ピアノの修理」です。

ピアノ調律師はこれら4つの作業をして「ピアノの美しい音」を引き出しています。アーティスト(音楽家)でありながら、マイスター(職人)でもあるという、他には類を見ない特殊な仕事です。

調律師の1週間スケジュール例

調律師の1週間スケジュール例
月曜日
朝から1週間後のピアノ調律のアポ取り電話。時間がないので途中で切り上げ、今日ピアノが納品されたAさん宅で入念に初めての調律。
火曜日
今日は1日調律づくし。半年前に弦を張り替えたFさん宅のピアノは大丈夫だろうか?夕方にGさんがグランドピアノに買い替えの相談、アップライトピアノとの違いを説明しとこう。
水曜日
レッスンが始まる前の午前中に音楽教室で2台のピアノ調律。昼過ぎまでかかる予定だったけどHさん宅でピアノトラブル発生。早めに切り上げ急行!
木曜日
Hさん宅のピアノはアクション修理が必要だったのでピアノからアクションを取り外し、持ち帰った。来週中に時間をとってじっくり修理しよう。週末、ショップに来客があるので展示ピアノのメンテナンス。
金曜日
今日は祝日だったけどN音楽教室の発表会。念入りに調律して。。。発表会の最中になにかあっちゃいけないので立ち会いも。 帰ったら来週のピアノ調律のアポ取りしよう。

調律師のキャリア(河合楽器製作所入社の一例)

< 1 年目 >
1年の学園生活を終え、4月より販売担当などの新入社員と一緒に研修を行います。概ね5月より配属先に赴任し、最初は先輩調律師に同行して顧客宅に調律に行きます。1ヶ月もすると一人で顧客宅へアップライトピアノ中心の調律に行くようになります。節々で配属先の上司から調律技術の確認と手ほどきを受けます。
< 5 年目 >
調律だけではなく、さまざまな顧客のニーズに応えられるようになります。例えばピアノ買い替えの相談に乗れるようになったり、発表会の調律に立ち会ったり、顧客宅の調律だけでなく、幅広く活動するようになります。また、技術力も向上にし、3週間のGPグランドコースの研修を受けます。グランドピアノユーザーの要望に応えられる技術力を身に付けます。早い人だと国家認定資格2級を取り、1級に挑戦する人も出てきます。
< 15 年目 >
ピアニスト、音大講師・生徒の高い要望に応えられるよう、1か月間のGPマスターコースを受講します。立派な調律師として日々クオリティの高い仕事をこなすようになります。中には社内資格で調律師において最も権威のあるMPA(マスター・ピアノ・アーティザン)を取得をする人もいます。さらに海外研修を積み、「コンサートチューナー」を目指し世界の名だたるピアノコンクールで活躍する人も出てきます。
< 30 年目 >
調律の知識、技量、共に終わりはありません。日々努力により向上していきます。この頃になると後進の指導も任され、さながら「師匠」の役目も果たします。自分の技量も向上させながら、若手に技術の継承をしていきます。調律師の技術は代々このように受け継がれていきます。また、定年後会社を退職しても嘱託社員として残ったり、自営業として自分の空いた時間で調律をしたりします。
調律師の声